2017年2月23日木曜日

ダミー問題 リスニング 講義3(Biology:glial cells)(仮訳付)

引き続き、TPOの解説よりも先に、リスニングのダミー問題について解説します。

(仮訳)
生物学の講義の一部を聞きなさい。

女性教授:前回の授業では、人の脳とニューロン─脳にある神経細胞─について話をしました。簡単に復習しましょう。だれかニューロンがどのように働いているか説明して下さい。バーナードは?

男性生徒:えっと、ニューロンは電気信号を伝達する線のようなものです。そして、電気信号が接触点に到達すると、情報が別のニューロンに送り出されます。そして、ニューロンについて興味深いことは・・・。

女性教授:その通りよ。素晴らしいわ、バーナード。今日は脳の中で見つかった別の細胞について議論しましょう。それはグリア細胞と呼ばれています。幾つかの種類のグリア細胞があるけれど、個別の種類については後で議論しましょう。ここではグリア細胞について、最初に歴史的な話題として、研究者がグリア細胞を重要だと考えていなかった1950年代の話をしましょう。研究者たちはいつもニューロン、ニューロン、そしてニューロンに注目していました。そして、ニューロンは脳内に発生する全ての情報伝達の要因であると考えていました。グリア細胞に関する限り、初期の研究者は、働く脳のニューロンにエネルギーが必要なため、ニューロンに栄養を運ぶといった働きをすることで、ニューロンの伝達を単に助けているものだと考えていました。もう一つの機能は、病原体から脳を守ることです。免疫系が発見・採取されるはずだと考えたのですが、まだ見つかっていなかったからです。

繰り返しますが、初期の研究者はグリア細胞の主な働きをニューロンを助けることだと考えていました。グリア細胞のサポートによって、脳のニューロンは情報を伝達できました。そのサポートによって、ニューロンは私たちに考えたり、感じたり、覚えたり、サンドイッチを食べたりすることができる通信を可能としました。ここで思うのは、なぜそんなグリア細胞を研究するのか?ということです。

最近、グリア細胞に関する新しい見解が出てきています。最近の研究で、情報の交換─生存期間を通じる、ニューロンとグリア細胞の情報のやり取り─が発見されています。したがって、グリア細胞は単にメンテナンスの役割を負うのではなく、情報を伝達し、実際にニューロンの接続に影響を及ぼし、それらを行き来させ、どの接続がより強くなるのか弱くなるのか決定しています。

実際、脳内には3つの通信ネットワーク─通信システム─が存在しています。ニューロンのニューロンとの通信、グリア細胞のグリア細胞との通信、そして、グリア細胞のニューロンとの通信です。言い換えれば、グリア細胞は従来考えられていたものより遥かに多くのことを行っています。少なくとも最近の研究が示していることはそういうことです。私たちの細胞機能の新しい理解は私達をどこに導くのでしょうか。私たちには分かりませんが、とてもワクワクさせるものです。そして、本当に驚くべき部分は、脳内でグリア細胞はニューロンの数をはるかに上回っていることです。けれども、グリア細胞はほとんど調査されていません。ワンダ、質問ですか?

男性生徒:グリア細胞の研究分野は広がっているのですか?

女性教授:グリア細胞の研究にはたくさんのチャンスがあると私は思っています。とくに、みなさんが卒業するこれから数年間はですね。この分野は本当に開かれています。でも、少し戻って分析しましょう。なぜ過去グリア細胞について見逃していたのでしょうか。私たちはグリア細胞について誤った仮定をしていました。私たちはニューロンを通じてどのように信号が伝達されるのか知っていたので、グリア細胞も主に電子的な方法で情報を伝達するものだと仮定していました。しかし、グリア細胞はそうではありませんでした。あなたが説明した通り、ニューロンはメッセージを伝達するのに主に電気信号を使います。けれどもグリア細胞はメッセージの伝達に電気信号ではなく化学物質を使うのです。

当時の私たちの基本的な仮定は誤っていたので、真の理解に欠けていました。そして今なお分かっていないことがたくさんあります。グリア細胞は他に何ができるのでしょうか?たとえば、グリア細胞は神経損傷を修復することができるのでしょうか?私たちはまだ疑問を持ち、実験し、学んでいるところです。グリア細胞が普通の人よりもはるかに多い人たちがいます。普通の人の脳にある量よりもずっと多いという人たち。一つの疑問が生じます。脳内に多くのグリア細胞があるほど、知能が高まるのかということです。グリア細胞には様々な種類があるので、天才になるのは、もしかしたら異常にたくさんのグリア細胞を持っていたり、あるいは、ある特定のグリア細胞を持っていることが原因だったりするのかもしれません。これらの疑問への答えが得られたら、私たちが以前にできなかったどんなことができるようになるのかまだ分かっていません。もしかしたらいつかグリア細胞を怪我の治療に利用することができるようになるかもしれません。一部の科学者はその可能性について現在実験をしています。

男性生徒:ツェラー博士はどう思いますか?

女性教授:私はそうなると思うわ。私たちが脳の働き方について深い理解が得られれば、神経科学と医療分野で新しいことがすぐに達成できることでしょう。他に質問ありますか?ありませんね?それではグリア細胞の別の種類について見ていきましょう。

(単語)
neuron:ニューロン
nerve cells in the brain;脳の神経細胞
send off:送り出す
glial cells:グリア細胞
first off:最初に
go on:発生する
as far as ... concerned:〜に関しては
nutrient:栄養素
immune system:免疫システム
sway:揺れる、前後・左右に動く
outnumber:〜に数で勝る
by far:はるかに、断然
folk:皆さん
as I see it:私の見るところでは、私の考えでは
open up:広がる
mode of:〜の方法

(設問)
問1.教授は主に何を議論していましたか。
(C)グリア細胞の理解がどのように変化していっているか。

問2.歴史的に、研究者はグリア細胞の主目的は何と考えていたか。
(A)ニューロンに必要なものを手助けしている。

問3.初期の脳研究はニューロンに集中していた。教授は、この結果について何を示唆していますか。
(B)グリア細胞に関してほとんど研究が行われてないこと。

問4.教授によれば、何の発見が科学者にグリア細胞の役割についてより良い理解を得させましたか。
(D)化学的なシグナルを通じてやりとりをしていること。

問5.教授が「そのとおり。バーナード、素晴らしいわ」と言ったことは何を示唆していますか。
(B)生徒の回答が完全であったこと。

問6.教授が「グリア細胞の研究はたくさんのチャンスがあるわ。とくに、皆さんが卒業する今から数年後は。私の考えでは、その分野は本当に広がっていってるわ」といったことは何を示唆していますか。
(A)キャリアとしてグリア細胞の研究を考えるべきである。

(背景知識)
・グリア細胞は、人の脳の中で神経細胞(ニューロン)よりも遥かに多く存在している。神経細胞(ニューロン)は電気信号でシグナルを伝達するが、グリア細胞は化学物質でシグナルを伝達する。



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