2017年2月22日水曜日

ダミー問題 リスニング 講義2(Music History:Ragtime)(仮訳付)

引き続き、TPOの解説よりも先に、リスニングのダミー問題について解説します。

(仮訳)
音楽史の授業の一部を聞きなさい。

男性教授:私達はよく人気の音楽について話をします。しかし、そのなかで楽器の役割については必ずしも考えていません。私が言っていることがわかるように、ラグライムを例にとりましょう。ピアノなしには、ラグライムが1980年代後半に発達することは確実になかったでしょう。鍵盤や和音といったピアノの特徴は、ピアノを音楽の独立した部分─メロディーやリズム、ハーモニー─を一緒に演奏するのに相応しいものにしました。片手でメロディーを奏でている間、もう片方でハーモニーを奏でることができ、その間ずっとリズムを取ること─これらはラグタイムの全ての特徴となる─もできます。言い換えれば、ピアノは音楽家がラグタイムの活きたサウンドを作ることを可能としたのです。これは当時の他の楽器とは異なるものでした。それから20年間、受け入れない人々もいましたが、ラグタイム─とくにピアノのラグタイム─は米国の最も人気のある音楽でした。若者はラグタイムをとくに好んでいました。

女性生徒:50年代のロックンロールみたいなものですか?

男性教授:もちろん1900年のラグタイムは1950年のロックンロールのようには全く聞こえませんが、それは公平は比較だろうと思います。ラグタイムは、ロックやラップみたいな他のタイプの音楽と同じような興奮を生み出しました。

女性生徒:本当ですか。ロックやラップはなぜ人気があるかわかりますが、ラグタイムに関しては私には分かりません。

男性教授:いいでしょう。では、ラグタイムがどんなものか見ていきましょう。それは斬新で真新しく、それはアフリカ系アメリカのリズムを使った初めての主流の音楽でした。それは人々を興奮させ、ついには音楽や詩にさえ若者の止まることのないエネルギーや楽観性が反映されました。アメリカの若者の魂をどのように捕まえたのかわかりますか?ロックが50年後にやったのと同じようにですか?

ピアノについて話を戻しましょう。お話したとおり、全ての楽器の中で、その特徴的なデザインはピアノの魅力の一部であり、ラグタイムのスタイルやリズムによく適したものでした。しかし、そこまで人気になったのは他に理由があります。思い出して下さい。自動車が出現する前の時代です。ピアノは社会的地位の象徴─成功の象徴─でした。家以外で、ピアノは多くの家庭にとって最大で単一の買い物を意味していました。そして、全員が買える余裕があるものではありませんでしたが、全員が欲しがるものでした。なので、あなたがレストランや映画館などどこに行こうと、屋内の公共の音楽ショーではメインの楽器としてピアノが使われました。

その音質の話をしないままにはいかないでしょう。当時使われたピアノがどんなに力強いものであったのかは、あまり知られてはいません。小型の電子オルガンのような小さなピアノが流行し始める前で、大きい種類のピアノが使われていました。ラグタイム時代のピアノはそれは豊かな音を出すことができました。建物の木製のフロアや住宅、コンサートホールなど突き抜けて鳴り響いていたことでしょう。この豊かな音それ自体を、音楽を聞いている人々は、足や骨から伝わる、特徴ある刺激的なピアノの振動から実際に感じることができました。

男性生徒:うわー。考えたことがありませんでした。だから、ピアノとラグタイムは互いに合っていたのですね。

男性教授:ある意味で、そうです。ただ、たしかにピアノの音質は非常に優れたものでしたが、他の楽器をラグタイムの演奏に使う利点もありました。たとえば、パレードや公演での演奏のような催し物では、バンジョーやコメットといった運びやすい楽器が求められました。にもかかわらず、ピアノはラグタイムにおいて基本的な役割を果たしていました。実際、その音質は、ピアノの売上が1909年─ラグタイム時代のだいたい真ん中─にピークとなったことに繋がりました。出版されたピアノラグや楽譜の数がまさに同じ年にピークとなったのは偶然ではありません。

男性生徒:ラグタイムは今では残っていないのは残念ですね。私はあの時代の音楽が好きでした。

男性教授:全ての音楽と同様、ラグタイムにはいくつかの大きな変化を生じました。それは、ある種の音楽の形─常に書かれたとおり演奏されなければならない─から始まりました。ただ、それは最初のうちでした。最終的には、それは現代までに残る音楽の形として進化しました。それは何のことか分かりますか。

男性生徒:えっと、リズムがジャズによく似ているので、ジャズになったんだと思います。

男性教授:その通りです。あなたが言ったようにジャズはラグタイムの即興形式なのです。だから、私たちにはまだラグタイム時代の名残があるのです。

(単語)
not always:必ずしも~とは限らない
instruments:楽器
Ragtime music:ラグタイム(かつて米国で流行した音楽ジャンル)
evolve:進化する、発達する
chord:和音
made ... suitable for:...を〜に適したものにする
with one hand:片手だけで
All the while ...ing:その間ずっと
rag:ラグタイム
embrace:受け入れる
kind of like:〜みたいなもの
without a doubt:間違いなく
I'd say:~だろうと思います。、私の意見では~。
when it comes to:~のことになると、~に関して言えば
I don't get it.:理解できない。
mainstream:主流の
lyric:歌詞
restless:落ち着きのない、止まることのない
optimism:楽観主義
get back to: ~に戻る
appeal:魅力
advent:出現、到来
respectability:社会的地位、尊敬すべき人
let's not:~するのはやめよう
leave out:省略する
spinet:スピネット、小型電子オルガン
come into fashion:流行し始める
resonate:鳴り響く
in a sense:ある意味で
granted:確かに
exceptional:例外的な、非常に優れた
banjo:バンジョー(楽器)
comet:コメット(楽器)
coincidence:一致、同時発生
sheet music:とじられていない数枚の楽譜
evolved into:進歩して~になる、~に発展する
improvised:即興の
remnant:残余物

(設問)
問1.講義は主に何に関してでしょうか。
(C)どのようにピアノがラグタイムの人気に貢献したのか。

問2.講義によると、なぜラグタイムは米国内で人気になったのですか。
(D)若者の魂を表現していたから。

問3.ラグタイム時代のピアノについて教授は何をほのめかしていますか。
(C)音楽の質がラグタイムに適していた。
(D)所有者の富と社会的立場を反映していた。

問4.なぜ教授はパレードや講演のコンサートについて言及したのですか。
(B)どのようにピアノが他の楽器に取って代わられたのか示すため。

問5.教授がジャズについて何を言っていましたか。
(A)ラグタイムの即興の形式である。

問6.なぜ生徒はこれを言ったのですか。
「本当に?ロックやラップについてなぜ人気か分かります。けれど、ラグタイムについては分かりません」
(D)なぜラグタイムが人気だったのか説明を求めるため。

(背景知識)
・ラグタイムは、1900年代前後に米国で流行した音楽のジャンル。楽器は主にピアノで、その他にバンジョー、マンドリンなど。



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