2017年2月21日火曜日

ダミー問題 リスニング 講義1(Botany:Rafflesia)(仮訳付)

引き続き、TPOの解説よりも先に、リスニングのダミー問題について解説します。

(仮訳)
生物学の講義の一部を聞きなさい。

植物の分類について話をしてきました。そして、どのように種が科に属するか、科が目に属するかをみてきました。しかし、ある特定の植物の種を目にどのように割り当てるか、ということは難しいことがあることが分かっています。たとえそれが普通とは異なる特徴を持っている植物の場合においてもです。同じ特徴をもった植物は同じ目に属すると考えるでしょう。しかし、それは常に正しいとは限りません。このことの格好の例は、マレーシアとインドネシアだけに生息するラフレシアと呼ばれる顕花植物です。

見て分かるとおり、ラフレシアは普通とかなり異なる植物です。第一に、それは巨大です。その花は幅1メートルまで大きくなり、7キロまで重くなり、とても大きいです。植物の中では、この標本のほかにはこの大きさに近いものは存在していません。しかし、ラフレシアの通常とは異なる特徴はこれだけではありません。実際、このことはラフレシアの最も奇妙でない特徴の一つでしょう。

ラフレシアは腐った肉のような、ひどい悪臭も放ちます。悪臭の匂いの花は他にも存在しますが。ラフレシアの場合には、ハエが匂いに引き寄せられ、受粉します。つまり、ラフレシアの花は巨大で、悪臭を放ちます。また、ラフレシアは寄生植物でもあります。太陽からエネルギーを得る代わりに、他の植物からエネルギーを摂取します。植物界では聞いたことがないというものではありませんが、あまりみられないものです。ラフレシアは宿主、ブドウの木の一種ですが、その中で実際に成長します。開花するまで宿主の中で成長し、宿主の中では開花しません。この点について、私に別の植物について話をする必要があるでしょう。やはり東南アジアの森に生息する、ヤッコソウと呼ばれる植物についてです。

ヤッコソウもまた寄生植物であり、そのことからラフレシアはヤッコソウと関係があり、同じ目に属すると考える人もいます。話したとおり、ヤッコソウは寄生植物ですが、その花はとても小さく、悪い匂いもしません。このため、なぜラフレシアとヤッコソウが関係しているか、という議論が起きたのか理解できるでしょう。しかし、判明したとおり、ヤッコソウは本当はブルーベリーに関係しているのです。つまり、ラフレシアと普通と異なる特徴を共有している植物でさえも、ラフレシアとは関係していなかったのです。そして、普通とは異なる3つ全ての特徴を共有している植物が存在しないことは、ラフレシアの分類分けをとても難しくしています。

あなたはこう考えるかもしれません。植物のDNAを分析しないのはなぜだろうかと。話したとおり、ラフレシアは寄生植物です。多くの植物が光合成のために必要とする緑の組織、葉っぱがないのです。他の多くの植物が養分を作るために受けている日光をラフレシアはとらえることができないのです。そのため、光合成のためのDNA─それは植物の分類をするためによく使われているものですが─その遺伝子を持っていないのです。しかし、ミシガン州のある研究者たちは、種子植物の約90%を分析し、ラフレシアと比較した結果、ある答えに到達しました。ラフレシアは、キントラノオ目の一種だったのです。現在、キントラノオ目の他の植物には、スミレやポインセチア、トケイソウが含まれています。他には?柳もそうですよ。

スミレのような花はラフレシアよりもずっと小さいですよね?なので、その分類分けは全く予想していないことでした。そして、それらは悪い匂い、腐った肉のような匂いもしません。そして、それらは寄生もしません。ラフレシアの分類やその仲間の特定におよそ200年かかりました。そして、それがキントラノオ目に含まれるとは、これまで誰も予想していなかったと思います。つまり、植物の明らかな特徴に基づいて種を分類できるのはいいことですが、ラフレシアでは上手くいかなかったのです。ラフレシアにとって、そして、植物学の分野にとって不幸なことに、ラフレシアは絶滅しかけているように思われます。生息地の森林破壊により着実に絶滅しかけています。そしてさらに悪いことに、ラフレシアは繁殖が上手くありません。第一に、たった10〜20%の芽しか成熟した花になりませんし、成長するのに一年かかります。また、雄しべと雌しべがありますが、種を産むにはそれらは同じエリア─同じ区画─、同じタイミングにいなければなりません。そして、花の強い匂いに惹かれるハエが花から花へ花粉を運ばなければなりません。みなさんは、どれくらいの頻度で、これらのことが全て同時に起こると思いますか。何年もその植物を研究している人でさえ、一度も目撃していないかもしれません。

(単語)
plant classifications:植物分類学
family:動植物分類上の科
order: 動植物分類上の目
Rafflesia:ラフレシア(寄生植物の一種)
for starters:まず第一に
specimen:標本
emit:放つ、出す
stench:悪臭
rotting:腐っている;rot:腐る
that's how:このようにして
pollinate:に受粉する;the flowers get pollinated
smelly:悪臭を放つ
parasite:寄生生物
the plant kingdom:植物界
host:寄生動植物の宿主
grapevine:ブドウの木;vine:つる植物、ブドウの木
blooms:花が咲く
Mitrastema:ヤッコソウ(寄生植物の一種)
photosynthesis:光合成
persist:主張する
seed:種子
Malpighiales:キントラノオ目(被子植物に属する目)
violet:スミレ
poinsettias:ポインセチア
passion flower:トケイソウ
willow:柳
botany:植物学
be dying out:絶滅しかけてる;die out:絶滅する
deforestation:森林破壊
habitat:生息地
to make matters worse:さらに悪いことに
reproduce:生殖・繁殖する
bud:芽
full-fledged:成熟した
vicinity:近辺
pollen:花粉
odor:臭気

(設問)
問1.主に何に関する講義ですか。
(C)植物の分類の難しさ。

問2.強い臭気はどのようにラフレシアを助けますか。
(D)臭気はその植物を受粉させるハエをひきつける。

問3.なぜ教授はラフレシアの実際の分類が予想外だと考えたのですか。
(A)その普通ではない特徴は、その目の他の植物と共通していないから。

問4.ラフレシアの繁殖に関して教授は何を示唆していますか。
(B)あまり起こらない。

問5.教授はなぜ「つまり、花が咲くまで宿主の中で成長する。宿主の中で花が咲くということではない」と言ったのか。
(B)学生が誤解しないように、彼女の言ったことを明確化するため。
解説:会話中のorder(目)と設問文のodor(臭気)を混同させようとしている。

問6.教授が「しかしそれが分かったとき、Mitrastema(ヤッコソウ)は実はブルーベリーと関係があったのです」と言ったのは何を意図していましたか。
(C)ラフレシアとMitrastema(ヤッコソウ)は同じ目ではない。

(背景知識)
・ラフレシアの主な特徴は、大きさ(幅1m、重さ7kg)、悪臭(ハエを引きつけて受粉に利用)、寄生植物(ブドウの木に寄生)の3つ。葉がなく光合成をしない。繁殖が難しく、絶滅の危機にある。Malpighiales(キントラノオ目)に属する。この目には、スミレやポインセチアなどが属している。
・他方、Mitrastema(ヤッコソウ)は寄生植物であるが、小さく、悪臭は無い。ブルベリーと同じ目に属する。
・ラフレシアとMitrastema(ヤッコソウ)は同じ寄生植物であるが同じ目ではない。
・植物の分類には、通常、光合成のための遺伝子を利用する。



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